公示地価で上昇率トップの浅草地区マンションは買い時か?
浅草の地価が上がっているみたいだけど買い時かな?
先日2019年の公示地価が発表されました。
東京都内全体では前年より4.2%上昇しましたが、少々意外だったのが台東区の浅草地区が軒並み上昇率上位に入ったことです。オリンピックを機に脚光をあびるかと思っておりましたが、予想より早く地価に反映されました。
地価高騰の要因は以下の通りです。
- 訪日外国人増加により、ホテルや物販等の商業施設需要が増加
- 都心の地価高騰により、比較的割安な東京北部が評価された
1. 訪日外国人増加
訪日客の増加は数年前から継続しており、最近は外国人向けホテルの供給が非常に多くなっています。特に、良い立地はホテルデベロッパーが高値で仕入れを行なっていることもあり、マンションデベロッパーの土地の仕入れが難しくなっています。そのせいか、浅草地区では駅近物件の供給が非常に少なくなっているように感じます。
観光客の増加はマンションの資産価値的にはプラスとなります。上記のように、そもそも土地が手に入りづらくなるため地価が上昇しますし、観光客に注目されることにより海外からの資金流入も見込まれるため、他のエリアとの比較ではマンション価格は下がりにくくなると思います。
(現在はマンション価格が高騰しているため楽観視はできないとは思いますが)
一方、観光客の増加は日常的な住みやすさにはマイナスとなります。京都や鎌倉のように観光客の増えすぎで住みにくい街になる可能性はある点は注意が必要かと思います。
2. 都心3区の高騰により、割安な台東区が評価された
港区、千代田区、中央区、渋谷区等の都心でファミリー向けマンションを買うとなると、億ションになることも珍しくなくなりました。そのため、今まで比較的割安だった東京北部にも需要が波及し、注目が集まったようですね。この地区であれば2LDKは5〜6,000万円台で十分手が届くと思います。
但し、今後マンション価格が下落する際には逆の動きが起きますので、都心よりも影響を受けやすいと思います。
マンション価格がピークを迎えつつあり、生産緑地問題や晴海フラッグの供給を控えていることを鑑みると、台東区の中でも物件は慎重に選定する必要はあると思います。
まとめ
- 商業需要の増加が見込まれ、資産価値は今後も(比較的)下がりづらい
- オリンピックで更に注目が高まれば海外投資家の資金流入の可能性もあり
- 但し、観光客増加により住みづらくなる可能性も
港区、千代田区、渋谷区に手が届かない場合、選択肢としてはありだと思います。少なくとも今後供給が激増する湾岸地域や、生産緑地問題を抱える世田谷区よりは資産価値は維持しやすいでしょう。
国土交通省が19日発表した2019年の公示地価(1月1日時点)で、東京都内の全用途は平均で前年より4.2%上昇した。上昇は6年連続で、前年より上げ幅は0.8ポイント広がった。商業地では台東区の浅草地区が軒並み上昇率上位に入るなど、外国人観光客の増加が地価を押し上げる要因となった。住宅地では23区のうち荒川区が上昇率のトップだった。
商業地は6.8%の上昇で、前年より上昇率は1.4ポイント広がった。上昇率上位10位内に浅草地区から4地点が入った。34.7%上昇で首位となった浅草1丁目は大通り沿いで雷門に近く、飲食店が多く集まる中心地。他の3地点も人通りの多い道路沿いで、浅草駅や浅草寺に近い。
日本経済新聞 「都内商業地、訪日客人気で浅草の上昇目立つ 公示地価」