【コラム】単身者は33㎡のマンションを買え
単身者でマンションを購入する場合、資産性の観点では間違いなく30㎡前半が良いです。実用性を考えると33㎡前後が特にオススメです。
単身者が自分で住むにもちょうどよい広さですし、将来中古で売却するにしても、賃貸に出すとしても検討者が多く、非常に万能です。
単身者向けマンション 面積別の特徴
面積 | 実用性 | 売却 | 賃貸 |
〜30㎡ | ❌単身者にはやや狭い ❌グレードが低い | ⭕️グロス価格が安い ❌住宅ローンが使えない ❌坪単価高め | ⭕️検討者多い ❌入居期間が短い |
30〜40㎡ | ⭕️適度な広さ ⭕️グレードは相応 | ⭕️グロス価格が安い 🔺坪単価やや高め | ⭕️幅広い層が検討 |
40㎡〜 | ⭕️十分な広さ ⭕️グレードも高い | ❌グロス価格が高い | ⭕️富裕層に人気 ❌賃料が高く検討者少ない |
30㎡未満の特徴
30㎡未満は全くオススメできません。
実用性の面でも狭いため使いづらいですし、一番のデメリットは住宅ローンが使えない点です。(全く使えないという訳ではありませんが、ほとんどの銀行が住宅ローンの条件に「30㎡以上」が入っています)
将来売却する際、買い手は住宅ローンが使えないため、実需層には買い手となり得ません。現金購入であれば話は別ですが、30㎡未満を実需で検討している人たち(20代の会社員が中心)には無理でしょう。
そのため売却先はマンション投資家となり、購入検討者数が非常に狭まることになります。また、マンション投資家の人たちにとっても出口戦略が重要であることは変わらないため、売却時に住宅ローンが使えない30㎡未満は敬遠されることになります。よっぽど利回りの良い物件であれば話は別ですが、高値止まりになっている現在の市況ではそんな物件はなかなか出回らないでしょう。
30〜40㎡台の特徴
この面積帯が一番オススメです。実用性も高く、自分で住むにも十分な広さです。例えば白金ザ・スカイの1Rはちょうど良い広さで単身者に非常にオススメできる間取りでした。
また、40㎡超と比較すると物件価格が安いため、購入検討者が多く存在します。もちろんこの面積帯であれば住宅ローンが使用可能です。
その分坪単価は高めになりがちですが、中古マンション検討者にとっては坪単価よりも表面価格が予算内に収まっていることが最重要です。
例えば下表のように同じマンションで33㎡と43㎡の間取りがあると仮定します。
33㎡の坪単価は400万円とすると、一般的に43㎡は面積が広い分坪単価が安くなるため385万円程度になります。
単純な坪単価比較では43㎡が優っていますが、物件価格では1,000万円の差があります。
この場合、明らかに33㎡のほうが中古で売却しやすくなります。予算上限が4,000万円の人は43㎡は買えないですし、逆に予算が5,000万円あったとしても33㎡で十分であれば、1,000万円価格が安い33㎡を購入するでしょう。
面積 | 33㎡(10坪) | 43㎡(13坪) |
物件価格 | 4,000万円 | 5,000万円 |
坪単価 | 400万円/坪 | 385万円/坪 |
40㎡超の特徴
40㎡超の場合、広さや収納が十分であるため実用性は抜群です。また、これくらいの広さになると食洗機やディスポーザーがついているケースもあり、グレードも比較的高くなります。
自分で住む分には満足感が高いでしょう。
一方、上述のように物件価格が高額になることがマイナスです。売却する際には富裕層や単身のエリートサラリーマンがターゲットとなるため、物件自体も都心の高級マンションであったほうがベターです。
また、賃貸に出す際も面積が広い分、賃料が高くなるため、借り手が限定されます。エリアNo.1の物件等であれば希少性もあり、貸しやすいと思いますが、普通のマンションの40㎡超1LDKは基本的にオススメできません。
また、40㎡後半になるとグロス価格が更に高くなります。この面積帯になると、もう少し背伸びをして住宅ローン減税の使える50㎡以上(床面積)を購入するのが一般的な考え方です。
都心エリアの高額物件は別ですが、一般的には45㎡〜50㎡程度は一番売りにくい広さになります。
まとめ / 33㎡が一番オススメ
以上を踏まえると、単身で住むのに適度な広さがあり、物件価格も抑えられる33㎡前後が一番オススメの面積です。
具体例では、以前当ブログで取り上げた白金ザ・スカイの1R(33㎡)や、ピアース神楽坂レジデンス(31㎡)は単身者向けで非常に資産性に優れた間取りです。